2009/2/25 水曜日

素朴な温泉街が示唆するもの

カテゴリー: おもてなし, 温泉, 経済危機 — admin @ 22:47:24

経済危機はまだ終わりの見えない状況ですが、アメリカはオバマ大統領が「終わりの始まり」といって、大胆な舵取りをおこなっているようです。

一方で、世界第二位の経済大国では、足の引っ張り合いのみという、政局あって政治がないような悲惨な状況です。やろうとしているのが本当に景気回復なのか、単なるアメリカ救済なのかもわかりませんし、苦境に陥っている韓国経済を助けようという余裕など皆無のようです。

韓国人観光客のおかげでなんとか商売が成り立ってきた九州などからも悲鳴が聞こえてきます。唯一、円高のおかげで日本人観光客がたくさん買い物をしてくれる韓国のホテルやブランド品店などが好況だということのようですね。

これでは一方通行になってしまいますから、この6月に開港を予定している「富士山静岡空港」に韓国からの定期便が飛ぶとしても、乗客は行きも帰りも 日本人ばかりになるか、下手をすると日本の不況が今後さらに深刻化して、定期便を飛ばすこともできなくなってしまうかもしれません。4月から、燃油サー チャージが値下げされるそうですが、海外旅行をする余裕のある日本人が、本当にこれから増えてくるのか、その見通しも立たないわけです。

そんな中、旅行をしたり、高級品を買ったりできる富裕層が増え続けているのが中国です。株価が上がらないといった不安材料はもちろんあるんでしょう けれども、中国人はお金の動きに対して敏感で目の利く人が多いので、株が儲からないとなれば株など買わないという行動をはっきり取ってきますから、中国の 実体経済が本当に悪くなっているということではないはずです。

「富士山静岡空港」には、上海便も就航しますので、むしろ中国人観光客が増えてくるのかもしれません。

しかしいずれにしても問題は、静岡県がリピーターを生み出せるかということに帰結するんでしょうね。富士山を見た人が、また見たい、年に一度ぐらい は見たいと思うかどうかわかりませんし、浜名湖や伊豆などの観光地をメインとしたツアーへの需要があるのかどうかもわかりません。

これまで外国人観光客がほとんど訪れていない所であっても、日本人の観光客が減っているから外国人が欲しいということになってきただけで、日本人・外国人を問わず、本当に魅力的な観光地やリゾート地へと発展してきたかどうかは別問題です。

観光というのは、一種の流行産業だとも言われます。昭和30年代、40年代に魅力的だった観光地が、平成の現代になってまだ人々を魅了するとは限りませんし、観光業に携わっている皆さんも、そんなことは百も承知だろうと思います。

静岡市には安倍川の上流、安倍奥の地に、梅ヶ島温泉という古い温泉街があります。旅館と民宿が12軒と日帰り温泉兼食堂が1件あるだけの小さな温泉街ですが、下界からはしっかり隔絶された大自然の中、独特の落ち着いた雰囲気があります。

流行りの「露天風呂付き客室」といった高級なものもありませんし、文豪の愛した部屋もありません。また、特異な景勝地というほどでもありません。時 間も時代も止まったまま、ひっそりとある素朴な旅館には、インターネット接続もありませんし、携帯電話もやっと通じるようになったぐらいですから、そこで 味わえるのはどこまでも、日本の、本来の温泉宿の風情だけなんですね。でもそれがとても純粋なものであるために、また来て落ち着きたいというお客様がある んだと思います。

筆者が外国人観光客に是非紹介したいと思うのは、このような、純粋な日本です。ホテルという名の旅館ではなくて、旅館という名の、いつまでも変わらぬ温泉宿です。

そんな温泉宿には、いつまでもずっと続いてほしいと思います。それこそが本当に守るべき文化財なのではないかとも思います。そこには「流行産業」というニュアンスもなければ、実は、外国人観光客の姿もほとんどありません。

梅ヶ島温泉も決して景気がいいわけではありませんが、そこには何か、観光客受け入れのあり方についての、大事な示唆があるように思えてなりません。

2009/2/9 月曜日

Made in Japan

カテゴリー: 文化の違い, 経済危機 — admin @ 6:46:50

30年以上も昔のこと、高校の英語研修でカナダとアメリカへ行きました。初めての飛行機、初めての海外で、同級生全員、興奮していました。

当時はまだ日本製品といえば、安かろう悪かろうの時代ですから、ほんのちょっとの小遣いからどんな記念品を買って帰ろうかと、アメリカ製やカナダ製に目を輝かせたものでした。日本のサラリーマンが月給10万円で、アメリカは20万円といわれたころのことでもあります。

結局私が買ったのは、スーパーマンのTシャツでした。胸に「S」のマークが入った青いTシャツでしたが、クリストファー・リーブの映画『スーパーマ ン』よりもずっとずっと前の時代でしたから、テレビ番組でジョージ・リーブスが演じたスーパーマンのマークです。今となっては骨董品ですが、当時はそれで も本物みたいなマークだったわけです。

仲の良かった友人のひとりは、「Vancouver(バンクーバー)」と英字の入った帽子を買ったんですが、買ってから気付いたのが「MADE IN JAPAN」の製品表示です。もちろん、日本で売っている製品ではありませんから、記念品には違いないわけですが、彼はひどくがっかりしていました。

あれから30年以上経った今の時代でも、これとまったく同じことが起きています。というのは、日本にはるばるやってくる中国人観光客のことです。

せっかく日本まで来たんだから、なにか素敵な日本製品を買って帰ろうと思うのが旅人の人情ですが、買ってしまってから「MADE IN CHINA」の表示に気付くということがけっこう多いようですね。

そんな事情に諦めた中国人観光客もいるようで、日本に来たからといって特に買うべきものはない、とまで言う人もあるようです。

もちろん、そんなところにこそビジネスチャンスがあるわけですから、中国人が欲しくなるような製品を作って成功する機会が、大メーカー、中小メーカー、個人商店ともに、対等に与えられていると考えることができます。

中国の人々、韓国や台湾の人々が、どんなものに興味を示すか、これをしっかり考えて、大当たりを取ることができれば、日本人も日本本位でない、周辺諸国の人々の気持ちが少しでもわかってきたということになるのではないでしょうか。

2009/1/20 火曜日

世界の価値観に大きな変化が訪れる年になるでしょうか。

カテゴリー: 海外の事情, 経済危機 — admin @ 9:20:18

きょう2009年1月20日は、アメリカ合衆国大統領の就任式(Inauguration)の日です。

衣食足りて礼節を知るといいます。人種問題にもそれは大きく関係しているようで、白人の、特に裕福ではなく、特に取り柄のない人々にとっては、自分 たちが優れているとすればそれは白人であることであって「有色人種」ではないからだという思想に頼ることは、ひとつの安易な生き方として、まだ根強く残っ ていたりします。これが人種差別主義の本質ではないでしょうか。

かつて大ブレークしたアメリカのテレビドラマ『ルーツ』では、マーロン・ブランド演ずる白人至上主義者が「黒人にある知性は全て白人との混血のおか げだ」という発言をしました。まったくひどい話ですが、黒人には知性がなく、事実IQが低いというような、大いに怪しい統計も、ごく一部の人々に支持され ているようです。

「これこれこういう事実がある、だから自分たちの主張は正しい」という論法はどこにでもありますが、その「事実」は、主張を正当化するために用意さ れたものであることがよくあります。「用意された」というのは、その「事実」を必死に探し求めて、なんとか見つけてきて、その「事実」だけを大きく取り上 げることです。しかもその「事実」は、全ての人に認められる真実とは限らないのです。

きょう、バラク・フセイン・オバマ・ジュニアという名の、アフリカ人の血を引く新しい大統領が就任するわけですが、この事実、つまり黒人がアメリカ大統領となりその4年の任期を務めようとしているという事実には、どこにも異論の差し挟みようがありません。

志のある黒人の先駆者たちが公民権運動に命を捧げてきましたが、オバマ大統領の就任が、その流れの延長にあるのかどうかはよくわかりません。とはい え、黒人が常に味わってきた劣等感を払拭する大きな契機となるのは確かでしょう。ここに大きな価値観の変化が訪れることは間違いないと思われます。

また北米大陸では、アメリカ・カナダ・メキシコの3カ国による通貨統合があるという噂もあります。オバマ大統領が就任式でそのことに触れるのではないかとも噂されています。

アメリカドルという、世界の基軸通貨がその地位を退いて、新たな経済の枠組みに加わるということがもしあるとすれば、それも大変な価値観のシフトとなるのかもしれません。

噂は噂であって、実際どうなるのかわかりませんが、百年に一度といわれる経済危機によって、新しい価値観を作り出さないではいられない状況にあるのは確かでしょう。

2008/12/20 土曜日

食糧の時代

カテゴリー: 経済危機 — admin @ 19:33:01

経済学を勉強してきたわけでもないのでいい加減なことしか書けませんが、アメリカのバブルが完全に崩壊して、世界はどこへ向かうのか、先進各国で大変な事態となってしまいました。

これまで雇用問題では不安の少なかった日本も、派遣労働者に関わる法律が大企業の都合に合わせて改正され、いつでも首が切れる何万という派遣労働者が路頭に迷うことになります。

先進国は軒並みマイナス成長で、中国だけはまだ成長を維持するといいますが、その中国も工業化が進んで農業人口が減ってくれば、もっと深刻な事態に見舞われることになります。つまり食糧が足りなくなるということです。

今までは、高額の工業製品を購入するために働いてきましたが、これからは生きるための食糧にかけるお金の割合、いわゆるエンゲル係数がひどく増えていくのかもしれません。

実際、食糧自給率の低い日本では、実感として台湾などよりも食費の割合が高いと思います。台湾人の収入が日本の半分としても、日本人の食費は台湾人の4倍ぐらいはいくように感じられるのです。

しかも主食のお米が特に高いのは、日本のお米が高級品だからというばかりではありません。台湾は気候がよいので、一年に二度も三度もお米を収穫でき ます。日本はたったの一回で、さらに悪いことに、都市近郊などでは田んぼを潰してどんどん開発してしまいましたから、これから田んぼを増やすことも難しい のではないでしょうか。

贅沢な果物や花卉を栽培して利益を上げるための農業が盛んでしたが、もしこれから食糧そのものが貴重になるとすれば、カロリーの高い穀物やじゃがいもなどが一番儲かるという時代も来るんじゃないでしょうか。

私たち日本人は戦後の食糧難も忘れて、先進国だと有頂天になっていましたから、そろそろ罰が当たってもおかしくないのかもしれません。

2008/10/20 月曜日

米英の経済政策のゆくえ

カテゴリー: 海外の事情, 経済危機 — admin @ 10:58:23

イギリスでは、保守党のボリス・ジョンソン=ロンドン市長が、新聞のコラムで「アメリカの大恐慌時代のあとのニューディール政策のような、政府による大きなイニシアチブが必要だ」と述べているそうです。

1929年の10月24日「暗黒の木曜日(Black Thursday)」に始まった世界大恐慌(the Great Depression)では、当初フーヴァー大統領がとった「自由放任主義」によって事態は悪化しましたが、1933年3月に始まったF・ルーズベルト大 統領の「ニューディール政策」という大規模な公共事業による景気刺激策が功を奏して、景気は一気に回復したわけですね。これは、最貧民層である失業者を再 び仕事の場に復帰させようという政策でした。

イギリスでは、世界大恐慌の教訓を生かして、保守党がそうした「労働者優先」の政策を提案しているようですが、興味深いのは、保守党が労働党よりも先にそんな提案をおこなっているところだと、筆者のイギリス人の友人が教えてくれました。

来月に迫ったアメリカの大統領選挙は、バラク・オバマ候補が、すでにほぼ当選確実という状況になっています。

アイルランドのブックメーカー(いろんな賭けを請け合う会社)では、バラク・オバマ候補の当選に賭けた顧客に対し、すでに賞金を払い戻したそうです。先週金曜、17日のニュースです。

オバマ候補の最大のネックとなる「経験不足」については、上院議員もまだ一期目にすぎず、あらゆる点で経験が足りないのではないかと懸念されていま したが、昨夜(19日 日曜日)飛び込んできたニュースでは、現ブッシュ政権で国務長官を務めていたコリン・パウエル氏が、アメリカのテレビ番組でオバマ支持を明確に表明したと いうことです。これで多くの人々から、オバマ候補への「懸念」は払拭されることでしょう。

オバマ候補が泥棒や人殺しでもしない限り、この形勢が逆転されることは到底ありえないというところまで来ています。あとは、世界中から期待が寄せられている経済政策が、オバマ大統領の就任によって実行にうつされるのを待つばかりというところでしょうか。

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