○○○人って、こうだよね?
私たち日本人のほとんどは、日本に生まれて日本に育っています。一人の日本人が実際に会ったり、友だちになったりする外国人というのは、かなり少ないようです。
例えば、米軍基地もない静岡市では、アメリカ人の友だちがいるという人だけでも、かなり珍しいと思います。イギリス人となるともっと珍しくて、フランス人の友だちがいたりすると、もうほとんど宇宙人レベルかもしれません。
筆者は幸い、様々な国の友人知人に恵まれてきておりますが、肌や髪の色が違う一目でわかる外国人と一緒に歩いたりすると、いわゆる「黒船状態」です。
「黒船状態」というのは、オーストラリアの女性と結婚した筆者の親友がかつていった言葉で、「女房と一緒に(静岡の田舎を)歩いていると、周りの日本人から奇異の目で見られたり、驚かれたりする」という、そんな状況のことです。
筆者も国際結婚をした口ですが、exワイフは台湾人でしたので、静岡の田舎のどこを歩いても気付かれたことはありませんでした。むしろ東京のあるホテルで、日本人である筆者自身が「日本の方ですか?」と聞かれたことがあったぐらいです。
近隣の国でも、遠い西洋でも、一人の日本人が生涯に出会って友だちになる外国人の数は限られています。何十年生きてきても、まだ日本人以外とは付き合ったことがないという人の方がむしろ多いでしょう。
そんな日々の暮らしの中で、ごくまれに外国人に接する機会があると、その外国人がその国の典型的なタイプであると思ってしまうことがよくあります。
例えば、1週間ほどアメリカへ団体旅行に行って、あるアメリカ人から話しかけられて馬鹿にされたとしましょうか。それはかなりショックですから、「アメリカ人って、けったくそ悪い奴が多い。」という印象になってしまうと思います。
しかし実際は、アメリカにも良い人もいれば、悪い人もいます。日本に良い人と悪い人がいることと、何ら変わりはないわけです。
または、初めて出会ったアメリカ人が、とても優しくて明るい素敵な人だったとしますと、「アメリカ人って、優しくていいなあ。」という印象になるかもしれません。
しかしこれも、アメリカ人みんながそんな素敵なキャラというわけにはいきません。次に出会ったアメリカ人が悪い人だったとしても、その人をつい信用してしまいますから、騙されたり危害を加えられたりする危険性も高くなります。
「アメリカ人ってさぁ、」
なんて言って、大して付き合ったこともないのに、「アメリカ人はこんな人たち」という先入観や固定観念を持つこともよくある間違いです。
ある日本の社長さんが、
「台湾人ってのは、カネのことしか考えていない。」
と言っていたこともありました。あの社長さんが一体、何人の台湾人と付き合ってきたのか知りませんが、「台湾人ってのは、」と、決めつけている態度には、非常にがっかりしたものです。
「血液型性格判断」というのが、日本などでは流行っていたりしますが、「○○人はどう、○○人はどう、」と、人の性格を国籍だけでタイプ別するとい うのも、冗談のネタとしては面白いかもしれませんが、実際に人と人との付き合いをする上では、あまり役に立つ情報にはなりません。
もっとも、民族性というものは確かにあるようで、私たち日本人も、近隣諸国の人々から、いろんなふうに言われています。
「台湾人は情。日本人は義理で動く。だから日本人の方が冷たい。」
「日本人は約束やルールを守るから信用できる。しかし有礼無体。」
といったことをよく台湾で聞きました。「有礼無体」というのは台湾語で「ウーレーボーテー」と読み、礼儀は見せるが心はこもっていない、といった意味です。
個人主義で、人はみな十人十色という意識の強い台湾人に比べると、日本人は常に周囲との協調性を大事にしていて、よく言われるように、全体主義的です。
しかしこれは考えてみますと、台湾人の一人一人についてそれが必ず当てはまるというものではなく、日本人の全員がそうだと決まった話ではありません。「○○人はこうだ。」という時、それはいつも「○○国の社会がそうだ。」という意味になるのではないでしょうか。
一人一人はみな個性を持っていても、ひとたび同じ国の人たちだけで集団になると、一定の行動パターンというものが出てくるわけです。
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